私たち夫婦が出生前診断を受けなかった理由
夫である自分は40を超えていて、妻も35歳は超えているというアラフォー夫婦の私たち。
夫、妻、それぞれが高齢で子供を産むことによるリスクについては、おぼろげながら理解し、妊娠が発覚してから、夫婦それぞれが少しつづ気にしていたのが正直なところです。
高齢出産で気になるのがダウン症です。
高齢になるにつれ、そのダウン症の子供が産まれてくる可能性が高くなるというのは、すでに常識となりつつあります。
ネットで検索をするとすぐにそんな不安を駆り立てる情報の海に突き落とされてしまいます。
妊娠初期の私たち高齢夫婦はずっとそんな不安を、お互いがそれぞれ胸の中で抱えていました。
妻のつわりが少し落ち着いていたタイミングだったと思います。
なんとなく、ダウン症の子供の話しになりました。
本当になんとなくなのですが、導かれるように、話さなければならない話題をどちらともなく口にし、それぞれが不安を抱えていたことが、その時はじめてわかったのです。
ダウン症の子供が産まれてきたらどうする。
正直なところ厳しいよね。
恥ずかしい話ではありますが、それが二人の率直な感想でした。
出生前診断という選択肢がテレビのリモコンが置かれた、ソファーの前のテーブルに乗ったのはその時です。
でも私たち夫婦は出生前診断を受けることはありませんでした。
どうして?
出生前診断には流産のリスクがあった
出生前診断について、診察してもらっていた病院に妻が相談した際に1番最初に言われたことが「流産のリスク」です。
それほど数百分の一の確率とは言え、それほど低くはない確率で流産の可能性があるというのです。
辛いつわりのトンネルを抜けつつあった妻。
つわりの苦しみを側で見守ることしかできなかった自分。
それぞれが少しの苦労をして手に入れた子供を授かるというチャンス。
検査のためにふいにするという選択は自分たちにはできませんでした。
出生前診断が陽性だった場合の心構えができていなかった
出生前診断は妊娠初期にしか受けることができません。
期限が切られているのです。
いつまでも悩むことはできません。
自分たちには、出生前診断が可能で、陽性だった際の対処が可能なタイミングまでに心構えをしておくことができませんでした。
いや、もしかすると妻の中では心構えはできていたのかもしれませんし、自分の中でもできていたような気はします。
それはとても過酷な決断で、できれば決断をすることなく流れに任せたかったのかもしれません。
出生前診断の結果が陽性であった場合、子供を諦めるという合理的な決断を自分たちは期限内に下すことができなかったのです。
出生前診断を受けなかったことを後悔はしていない
今までは、出生前診断を受けることができる病院は限られていました。
今後は多くの病院で出生前診断が可能となるようです。
出生前診断のハードルは下がってきました。
出生前診断は受けた方が良いのでしょうか。
自分たちは出生前診断を受けなかったことに1点の後悔もありません。
ただ、出生前診断に関しては、受ける受けないとかじゃなく、デフォルトで検査の中に入れても良いのではないかという気もします。
結果によって子供を諦めるという選択肢があるから?
そんな理由もなくはありませんが、むしろ自分たちのようにどちらにしても産むと決めている夫婦やその家族に、十分な準備をさせるためにです。
産まれてすぐにダウン症だとわかって、すぐに対応考えるのって大変だと思います。
もしも事前に準備をすることができたのなら、万全な体制で赤ちゃんを待ち受けることができたら、きっと少しは負担も減るのではないでしょうか。
出生前診断を受ける受けないで悩んだりするのではなく、検査の一貫として当然として組み込み、もしも陽性でも安心して準備をして、幸せに暮らすことができる。
そんな世の中であれば良いのになと思います。